いつもお世話になっている、林先生の作品展示会にお邪魔してきました。
エレガントでエネルギッシュなお作品の数々にすっかり圧倒されてしまいました!!
文字通り、舞扇に描かれた百人一首が百面飾られていました。
どれをとってもとても美しいものばかり!
これらは創作型染めという手の込んだ技法で作られています。
図案を構成し、型紙がバラバラにならないようにつないで描く。
不要な部分をくり抜いた型紙をつくり、糊置きをする。
顔料や染料を使って色差しをする。
糊を洗い落とす。
百面もの型を作るのは大変な作業。
そして百面揃うと圧巻です。
『春愁い』
はなやかでのどかな春の日や。やがて散っていく美しい花を
自分の姿に重ねて詠った歌など物想いにふける春の歌。
伊勢大輔
いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重ににほひぬるかな
春の歌らしく華やかな色合いが美しい一面。
小野小町
花の色はうつりにけりないたづらに わがみよにふるながめせしまに
絶世の美女だったといわれる小野小町の句。
『雲井』
空を見上げると雲に隠れた月、嘆きの月、つれない月、有明の月。
月への想いは人それぞれ。
紫式部
めぐりあひて見しやそれともわかぬまに 雲がくれにし夜半の月かな
そよぐ藤図がなんとも言えない風情をかもしだしている。
清少納言
夜をこめて鳥の空音ははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ
『うつろい』
目の覚めるような紅葉も一葉一葉、風に舞い散って、
やがて木枯らしの吹く冬へ。
季節の移ろう淋しさを詠った歌。
大江千里
月みればちぢに物こそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど
月と鹿と紅葉の図案がとってもモダン。
『流れ』
人生の哀感を波や川、滝など自然を通して表現した歌。
さまざまな想いを想像して。
『しのぶ草』
白無地の帯地に型染めしたお軸。
『小野小町 掛け軸』
『紫式部 掛け軸』
『清少納言 掛け軸』
まだまだ紹介しきれないですが今回はここまで・・・。
林 和子先生の舞扇百人一首の本は出版されています。